32 名前: グライムズ(愛知県) 投稿日:2007/06/09(土) 12:49:53 id:iwLWbuvA0
ロードムービーのようなインタビューで始まり、その後は安易な笑いの連発。
一つ一つの前フリを分かりやすく説明して、分かりやすく落とす。
客は笑ってなかったので実際には落ちてないんだが、そこで微妙な空気になるのも想定内なんだろう。
この単調な繰り返しが最後に効いてくるのかな?と受け手に思わせれば、
最後のスカシっつうかグダグダな終わり方もある意味裏切りになるわけだし。
でもそれはそれで映画としてはありがちなんだよな。
これ観た後に何か消化しきれず得体の知れない感情が残るわけでもない。
たぶん見た人が持つ感想は中途半端。映画としてもコントとしても完成度は低いなって。
この映画に関して笑いのレベル云々ってのはナンセンス。松本自身が言っているように誰でも分かる笑いの連続。
カンヌでの上映後白けた映像がうpされてるけどこれも正直松本には可哀想。
最後のエンドロールは内輪ネタだし、思いっきり日本人向けに作られた映画だからキツいよ。
制作費に10億使われているらしいが、やっぱそれなりにCGの完成度は高く、映像としては映画的。
でも結果的にそれが、ローカル臭やチープ感が松本の笑いの重要なエッセンスである事を証明してる。
ある程度制限されたほうが作り手の才能や発想が活かされるのは、
たけしやタランティーノの初期の作品に傑作が多い事でも分かる。
結局金かけた笑いが自分には向いてないってのは本人も知ってるだろうし
今後も映画撮り続けるとしたらシリアスな路線に行くんじゃねーかな。
それとも分かる人だけ分かればいいやって感じで自分の世界観を極限まで出したお笑い映画。
どっちもたけしがやってる事なんだけど、また全然違う世界観だろうから期待するわ。

61 名前: グライムズ(愛知県) 投稿日:2007/06/09(土) 13:01:51 id:iwLWbuvA0
観客の好意に甘えたヌルい映画。本当にこんな物が撮りたかったのだろうか。
何故、松本人志という人物が映画を撮ることにしたのか 最後の最後まで見出せないまま映画は終わってしまった。
編集がマズいの、カメラワークが最低だのという枝葉の部分も 相当に酷いが、それ以前に1本の映画として完成していない。
徹底的な情報規制は、公開前に悪評が立つ事を 防ぐための戦略だったのではないかと勘ぐりたくもなる。
映画は、どこからともなくやって来る怪獣を倒す使命を背負った 「大日本人」の6代目である大佐藤大松本人志)の姿を、
彼が活躍する様子を放映しているテレビ番組スタッフが追うドキュメンタリー番組風の作りで、
松本演じる大佐藤と姿の見えないスタッフとの掛け合いをメインに、時折怪獣との戦闘シーンが挿入される。
私が最も引っかかったのは、かつてテレビ番組やビデオ等で発表して来たコントの残像をチラつかせるだけで
充分映画になると踏んでいる見込みの甘さである。
「映画」という全く別の世界に勇んで飛び込んで来ながら、
結局、「芸人・松本人志」の知名度と普段の交友関係、観客の松本に対する好意に依存しているのだ。
笑える部分が無い訳ではないが、 台詞や演技が上手いわけではなく、
「あの人が怪獣になるとは」という シチュエーションを面白がっているに過ぎない。
海原はるかの扮する怪獣が髪を振り乱して面白いのは 普段の海原はるかの芸が面白いというだけのことである。
板尾創路を始め、キャスト全員が「役柄」としての意味を持っておらず、
ただただ、「松ちゃんを喜ばせるためにおかしな格好をしている状況」を延々2時間も観せられるのである。
それにしても、「あ、海原はるか師匠だ」「あ、板尾だ」と気付かなければ笑えないような代物をよくカンヌに持っていったものだ。
松本人志のことが好きで好きで、彼のやることなら全て好意的に受け止めることが出来るという自信のある方以外は素直にレンタルまで待つべし。
吉本は製作費10億円を負担したらしいが、松本は素直にお笑いに専念させて、浮いた分はジミー大西に回してやってくれ。