10 名前: 犯人(茨城県) 投稿日:2007/09/21(金) 19:16:25 ID:1aDEHh+p0
2000年7月4日、20世紀最後のアメリカ独立記念日を祝う洋上式典に参加するため、
世界各国の帆船170隻、海軍の艦艇70隻がニューヨーク港に集結しました。
日本からは海上自衛隊自衛艦「 かしま 」と航海訓練所所属の「 海王 」が
公式参加しました。

事件は翌日に起こります。

翌日の5日に英国の豪華客船「 QEⅡ 」が入港スタンバイします。
船首、船尾に四隻のタグ・ボートで接岸行為をしていましたが、
その日のハドソン川の水量の所為か流れが、2ノット以上あったと言われています。
それでなくても巨大な客船は風に弱く、また速力が落ちた場合は当然舵が効きません。
それをタグ・ボートで補うのですが、2ノットの流れは巨大船を押し流しました。
あれよあれよと言う間もなく、係留中の海上自衛隊自衛艦「 かしま 」の船首部分に 接触してしまったのです。

着岸後「 QEⅡ 」からすぐさま、船長のメッセージを携えた機関長と一等航海士が
謝罪にやってきたそうです。
相手の詫び言に対応した「 かしま 」艦長はこう答えたそうです。

「 幸い損傷も軽かったし、別段気にしておりません。
   それよりも女王陛下にキスされて光栄に思っております 」

これが船乗りたちの間で大評判になり、ニューヨークだけでなくロンドンにも伝わって 「 タイムズ 」や「 イブニング・スタンダード 」も記事にし、日本の海軍士官の
ユーモアのセンスを評価する声が高かったそうです。 たぶん接触は軽症だった
んだと思います。 これって、大きいものは港内の海難審判ですから。
英国と日本の米国という治外法権の場所での論争に発展する処でした。
巨大な船ほど推進力が無くなると自力ではどうにも動けません。

「 かしま 」艦長、上田勝恵一等海佐の対応の見事さに喝采!!